提供：北日本放送
日本一深くて険しいV字峡の黒部峡谷。その谷間を縫うように走り抜けるのが黒部峡谷鉄道のトロッコ電車です。
黒部川の電源開発のために整備された鉄道は、当初、資材や作業人員を輸送する専用鉄道でしたが、登山や観光用に利用したいという強い要望を受け、1953（昭和28）年から営業運転を開始。長い間、人を寄せ付けなかった大自然の険しくも美しい景観を楽しめる観光列車として親しまれています。
通常の営業時は宇奈月駅から欅平駅まで20.1km、片道約1時間20分の旅を楽しむことができますが、2024年は能登半島地震で黒部川にかかる鐘釣橋が損傷し、営業区間を縮小、おおよそ中間地点に位置する「猫又（ねこまた）駅」までの往復となりました。
2025年も橋の修復が間に合わず、猫又駅までの折り返し運行を予定しています。
日本で唯一！ “猫”がつく駅
2024年、猫好きの間で話題となったのが、臨時の折り返し駅となった「猫又駅」の名前。
意外にも、“猫”が駅名に入るのは、全国9,000を超える駅の中で、この猫又駅だけなのです。
猫に追われたネズミがどうしても岸壁を登れずに引き返したことから名づけられた「ネズミ返しの岩壁」が近くにあり、さらにそのネズミを追ってきた猫もまた同じように引き返したため、「猫又」と呼ばれるようになったんだそう（※諸説あります）。
工事関係者だけしか降りられない駅が 今だけ猫好き必見のフォトスポットに
しかも、この「猫又駅」、実は工事関係者が利用するための駅で、これまで一般の乗客が乗り降りすることはできなかった駅。
そのため、旅客用のホームすらありませんでしたが、鐘釣橋の復旧までの間もなんとか多くの人に楽しんでもらいたいと、2024年10月、急遽ホームを新設しました。
駅の標高は358m。設置された展望台からは、黒部川の対岸に迫る山々の緑や眼下に流れる川音のこだまを楽しむことができます。
まるでトムジェリ!? 猫好きにたまらないフォトスポットは2025年も登場
2024年に好評だったフォトスポットは、2025年も設置されています。
駅の名前にちなんだフォトスポットで、猫とネズミが追っかけっこする某アニメのようなかわいい写真を撮ることができます。
猫又駅往復期間中の限定企画も
愛しのにゃんこが猫又駅の名誉助役に就任!?
にゃんこ好きには必見の限定企画が2025年シーズンもスタート。それが、愛猫が猫又駅の名誉助役に就任できるというキャンペーンです。
募集は6月22日まで。愛猫の写真を送ると「名誉助役任命書」と「缶バッジ」が宇奈月駅の2階に展示されます。
猫の写真大募集
- 募集期間
- 2025年4月1日（火）～6月22日（日）
- 募集方法
- メールで送付（1人1点）
- 交付（掲示）期間
- 4月20日（日）～6月30日（月）
- 電話番号
- 0765-62-1800（黒部峡谷鉄道）
現地に行ってトロッコに乗車すると、愛猫の「名誉助役任命書」と「缶バッジ」を受け取ることができます。
愛しのにゃんこが猫又駅の名誉助役に就任!?
かわいい猫をモチーフにしたキャラクターが新しく生まれました。
公募で決まった名前は、「またにゃん」。
駅員の制服を着たオス猫で、好物は黒部川のイワナ。一般的に風呂に入るのを嫌がることが多い猫ですが、温泉に浸かるのが好きというから人懐っこいのかもしれません。
今だけの猫又グッズも
黒部川電気記念館では、黒部峡谷トロッコ電車のグッズを販売しています。
こちらにも、猫又駅往復運転期間だけのグッズが登場しています。
レトロな昔の切符「硬券」をモチーフにしたタオルは、この期間だけ。カラーも2024年から変わってネイビーとなり、レトロ味が増しています。
アクリルスタンドや記念の硬券もあります。
黒部峡谷への出発点となる宇奈月駅には、温泉旅館や総湯、地元グルメ店などもあります。猫又駅へのおでかけと一緒に楽しんでください。
黒部峡谷鉄道
- 住所
- 富山県黒部市黒部峡谷口11番地
- 電話番号
- 0765-62-1011（お客さまセンター）
- 公式サイト
- 黒部峡谷トロッコ列車
※この記事は、2025年4月19日に北日本放送「nan-nan」で公開された記事を転載したものです。
